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マネックス証券のブロガー向けファンド説明会に参加してきました!

昨夜はマネックス証券で行なわれたインデックスファンド説明会に参加してきました。内容はピクテ投信投資顧問から先日発表されたピクテ・インデックス・ファンド・シリーズ、『ピクテIF中国H株』 と 『ピクテIFブラジル株』 についてです。

先日のエントリ 【中国H株のインデックスファンドが設定されるようです】 でも触れておりましたが、今回その詳細が聴けるとあってちょうど良かったです。


今回設定されたファンドは 『低コスト・シンプル・高品質』 を商品開発のテーマにしており、特に高品質という部分に力を入れたとのことで、この部分はピクテの運用ノウハウを駆使して実現できたものだという事です。


その高品質を謳う要素に私が理解出来る範囲で以下大きく3つのポイントがあったように思います。

○前後にかかる信託財産留保額
○為替換金のタイムラグを短縮
○自動為替をしていない




ポイントその1 : 前後にかかる信託財産留保額
通常、日本で販売されている投資信託は解約時のみに設定されていることが大半ですが、購入時にも設定することにより、長期で運用する受益者の不利をなくすのが目的とのことです。ただ、我々のような長期で運用を考えている個人投資家の中にも、信託財産留保額を信託報酬と同じコスト扱いして毛嫌いされている方がまだまだ多数いるので、解約時のみならず購入時にも設定するにはとても勇気がいったとのことです。 <ピクテ : 信託財産留保額


(前)信託財産留保額(後)信託財産留保額
中国H株0.4%0.4%
ブラジル株2.6%
(2.0%+0.6%)
0.6%

上記信託財産留保額を0.4%(中国)に設定した理由
・為替手数料(円→香港ドル)
・買付手数料

上記信託財産留保額を0.6%(ブラジル)に設定した理由
・金融取引税(2.0%)
・為替手数料(円→レアル)
・買付手数料

ブラジルでは投機的な資金流入を認めていないので、お金が入ってくるのを防ぐために金融取引税として2.0%を設定しているとのことです。(変動あり:昨年10月は1.5%)
また、中国H株とブラジル株の0.2%の差は「未開の地は高くなる」とおっしゃっていました。 

信託財産留保額を設定しないと、資産総額がどんどん増えていくほど、後から流入してきた人たちのコストを最初に入った人たちが平均して負担することになります。出ていく場合も同じです。それを回避するためにも前後に信託財産留保額を設定する必要があったとしています。


ポイントその2 : 為替換金のタイムラグを短縮
例えば、ファンドを解約するとその日または翌日のレートで解約金額が決定します。エマージング株式の場合、それぞれの国ごとの換金作業が必要なわけですが、特にブラジルの場合はレアルに換金する際、取引量の多い米ドルを経由して換金されるためタイムラグが生じるとのこと。ファンドとしては翌日の為替で確定して解約して出て行く人の金額が確定するわけですが、実際は月曜日に解約手続きをとると、金額が決定するのは金曜日となるそうです。解約は月曜日の為替レートで決まっているのに、実際に円↔レアル換金は金曜日。ということはこの4~5日間で発生している為替リスクを残っているファンド保有の受益者で負っているという事になるそうです。

この見えないリスクをピクテは独自のルートで月↔金だったものを月↔火にすることができたとのことです。



ポイントその3 : 自動為替をしていない
たとえば100万円をレアルに換金する時、円とレアルが同金額であれば差額ゼロとなるためその間に発生する差額コストはなくなります。しかし、これを人の手で行なえば可能ですが、自動為替となると売りたい時、買いたい時にちょうど良く相殺できる金額がなければ自動的に為替処理が発生してコストが発生するとのことでした。
そしてこのファンドでは自動為替をしていませんとのことです。



上記の商品特徴などを聞きながら、「なるほどぉ」と勉強になることばかりでした。単一新興国のインデックスファンドの設定自体にはまだまだ日本の個人投資家向けには絶対数が少ないという背景もあり、時期尚早な感じがしないでもないですが、ファンドの作られている仕組みや、新興国特有のハードルなど、目に見えない障害がたくさんあるんだなぁと実感しました。

マネックス証券だけでの取り扱いとのことで、償還リスクが大きいと感じて「マネックス証券以外での取り扱いは考えていないのか?」と初歩的な質問をピクテの担当者に質問をしましたところ、やはり他の証券会社で取り扱う含みがありました。マネックス証券開催の勉強会でこんな質問をしてしまい「マネックス証券さん、申し訳ございませんでした。(^^;)」

質疑応答では「なぜ指数は中国H株なのか?」「他の新興国もシリーズとして出していくのか?」などさまざま意見交換がされ、とても盛り上がった勉強会ではなかったかと思います。


説明会終了後は、クールな着こなしの日経ヴェリタス記者さんにご挨拶もさせて頂き、とても有意義な時間を過ごすことができました。また次の機会があればぜひ参加してみたいと思います。


※説明会の内容で、謝った表記や説明不備な箇所などございましたらご指摘いただければ幸いです。


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コメント

Secret

仕事柄、特に個人的にテーマである信託財産里留保金についてのエントリでしたので、コメントさせてください。

運用会社はいつも「長期で運用する人のために」と言って留保金を設定しますが、このピクテのファンドは追加型ですよね?1カ月で解約する人もいれば10年持つ人もいるわけですが、すべての客に等しくかかるわけですよね。

これ、どうお考えですか?
この留保金という仕組みは、客の立場でなく運用する立場のための仕組みです。

今回、入る時(買付)にもかかるとのことですが、それでは基準価額というものが形骸化しますよね。「基準価額はあくまで基準であって実際の売買には0.何%差し引いた価額で約定されます。」ということですよね。

長くなるのでやめますが、ぜひお考えをお聞かせいただきたいです。

個人的にピクテは好きです。本国ですが。

同じ説明会に出ていたものです。一番右後ろ(出入り口近くに座っていました)。


ピクテの新ファンドの説明でしたが、それ以上に投資信託の基本知識の勉強会として興味深い説明会でしたね。
北根氏も言われていましたが、このファンドシリーズは入り口部分の信託財産留保額への抵抗が多そうな点が気になります・・・





>V70さん、

信託財産留保額が、客の立場でなく運用する立場のための仕組みとはどういうことでしょうか?信託財産留保額はファンド内部に残るので運用する立場の人へのメリットが大きいようには思えません。
1カ月で解約する人も10年持つ人にも等しくかかり、コストの不公平を無くせるから平等で顧客のためのものなのではないでしょうか?


>今回、入る時(買付)にもかかるとのことですが、それでは基準価額
>というものが形骸化しますよね。「基準価額はあくまで基準であって
>実際の売買には0.何%差し引いた価額で約定されます。」という
>ことですよね。

基準価額は形骸化しないと思います。信託財産留保額があろうがなかろうが約常時の基準価額で約定します。買付手数料があるファンドも同じですが、買付時に投じた資金からいくから差し引かれようが、0.何%差し引いた価額で約定することはあり得ません。基準価額が13526円の日に約定していれば、取得単価は13526円です。
信託財産留保額が無いファンドは売買にかかるコストを先に投資している人たちに負担させることで見えないようにしているだけです。後から来た人のコストを先人達に負担させるのが良いのか、皆で自分の分だけ負担するのが良いのかという話ではないでしょうか。

>V70さん

コメントありがとうございます。
私の信託財産留保額についての認識は、
①解約時に発生するもの
②解約者の費用負担が残っている人に掛からないので「あった方が良い」
というだけのものでした;

まだまだ勉強中の身ですので、今回の勉強会で基礎知識を得たというレベルです^^;
ただ、この勉強会で思ったことは、信託財産留保額があった方が受益者にとっては良いのではないかということです。しかしながら、いままで無かったものに対する心理的抵抗は理解するまでに時間を要するのかなとも思いました。


>吊られた男さん

えっ!あの入り口近くの席にいらっしゃった素敵な紳士が吊られた男さんだったんですか!!
いや~はじめまして。ブログはいつも拝見させて頂いております。そしてコメントありがとうございます。

私は初めて勉強会に参加したのですが、本当に興味深いものでした。特に投資信託の見えないしくみ(流れ)部分まで学ぶことが出来たとが何よりの収穫です。

このファンドシリーズの特徴である入口の信託財産留保額に関しては、おっしゃる通り抵抗感は否めないかと・・。ただ、今後の投資信託全体に一石を投じる大きなテーマとなる可能性もありますね。

吊られた男さんへ
※じろらもさん、スペースお借りします。

>1カ月で解約する人も10年持つ人にも等し>くかかり、コストの不公平を無くせるから平>等で顧客のためのものなのではないでしょう>か?

だとすれば、「長期で保有される方のために」というのはおかしいですよね。期間は関係ないわけですから。

>基準価額は形骸化しないと思います。信託財>産留保額があろうがなかろうが約常時の基準>価額で約定します。買付手数料があるファン>ドも同じですが、買付時に投じた資金からい>くから差し引かれようが、0.何%差し引い>た価額で約定することはあり得ません。基準>価額が13526円の日に約定していれば、取得>単価は13526円です。信託財産留保額が無い>ファンドは売買にかかるコストを先に投資し>ている人たちに負担させることで見えないよ>うにしているだけです。後から来た人のコス>トを先人達に負担させるのが良いのか、皆で>自分の分だけ負担するのが良いのかという話>ではないでしょうか。

一般的に解約する時の価額は、基準価額から信託財産留保額を控除した『解約価額』です。
今回ピクテは、買付時にも留保金を課すわけですが、当ファンドの有報をみると「申込価額に留保額が含まれる」また、「解約時は基準価額から留保額が控除される」とあります。

「含まれる」という表現がよくわかりませんが顧客の負担であることには違いありません。

また「その他手数料」には「株式等の売買手数料は信託財産から支払われる」とありますから留保額を取ろうが取るまいがコストはかかるわけです。

留保額は「単位型」の投信には馴染むかもしれませんが、「追加型」には馴染まないものと考えます。

御理解いただけましたか?

紳士ではありませんが・・・^^;
こちらこそ、今後も宜しくお願い致します。

>V70さん、

期間が関係なく平等だからこそ、長期で保有する人を守るためのものです。

ピクテのコラムにあるように信託財産留保額が無いケースでは、追加流入資金の買付時等のファンド内の売買コストがその都度ワリカンになるために、長期で保有する人ほどコストを多く負担することになります。(信託報酬とかのコストではなく売買関係)

V70さんも書かれているように留保額を取ろうが取るまいがコストはかかるわけですから、長期間ファンドを保有する人に後から入ってくる人の分のコストを負担させずに各自が平等に自分の売買コストを負担しようというのがこの信託財産留保額です。
ですから、従来の長期保有者に過大なコストを払わせるファンドと違って、長期保有者を守るためということになります。




また、信託財産留保額を解約時に取られる=顧客の負担にあることは違いないと言われていますが、そうは言えません。
利用時に100円を払っても利用終了時に100円が戻ってくるコインロッカーがありますが、一般的にこの場合コインロッカー利用にコストがかかるとは言わないと思います。
信託財産留保額も同じです。信託財産留保額は払うものですが、貰うものでもあります。仮に購入時や解約時に信託財産留保額を払うことになっても、保有期間には信託財産留保額を貰っているのですから、ただの顧客間の資産の移転で顧客全体でみれば差し引きは0です。単純に"顧客の負担"とは言えません。

また、一時的には差し引かれるということを含めても基準価額の形骸化とは言わないでしょう。それならば購入時の手数料を設けるファンドの基準価額は形骸化しているのでしょうか。購入時の手数料が3.15%のファンドでは、100万円を払うと3万538円が購入手数料として引かれて約97万円でファンドを買うことになります。では基準価額は形骸化しているのでしょうか?グロソブの基準価額は形骸化しているのでしょうか?
普通は購入時に支払った資金の一部が差っ引かれたからと言って基準価額の形骸化とは言わないと思います。株でも株式購入手数料がかかるからと言って株価の形骸化とは言いませんよね。

横から失礼します。

信託報酬留保額はよく「迷惑料」に例えて説明されます。自分の都合で途中解約する顧客が出て行く際にかかった費用の代わりに迷惑料を信託財産に残していく仕組みです。この迷惑料は出て行く顧客が残っている顧客に支払うものであり、販売会社・運用会社・信託銀行の取り分はありません。実際の売買手数料は信託報酬に含まれますが一時立て替えと考えていただければ良いと思います。今回のファンドは買い付け時のコストに関しても迷惑料を設定して既存の顧客が不利にならない仕組みを整えているといえます。

信託財産留保額があるために基準価額が形骸化することは確かにあるかもしれません。極端な例でいえばこのファンドの最後の一人の顧客になれば先に出て行った顧客からもらった迷惑料が積み上がって実際の運用成績とはかけ離れた基準価額になるはずですから。そこまで極端でなくても長く保有すればするほど途中で出入りする顧客の迷惑料が信託財産に加算されていきますので間違いなく長期保有の顧客が有利な仕組みといえます。

【訂正】2行目の「信託報酬留保額」は「信託財産留保額」の間違いです。失礼しました。

吊られた男さんへ

手数料と信託財産留保額を同列で論じる事自体が間違っています。まったく別物ですから。

この場でやり取りしても永遠に解り合えないと思いますのでもうやめます。

失礼しました。

>V70さん、

(こちらも最後にします)

「手数料と信託財産留保額を同列で論じる事自体が間違っている」と思うので、信託財産留保額が【運用する立場のための仕組み】という表現に違和感を感じたのです。
販売手数料や信託報酬なら販売・運用側の利益になるので、彼らのための仕組みということは分かります。しかし信託財産留保額はいくらとっても販売・運用側の利益にはならないので、何故【運用する立場のための仕組み】と言うのかが分かりませんでした。

本当なら、信託財産留保額がどうして運用側のためなのかということを教えていただきたかったのですが、最後ということですので、これで終わりにさせていただきます。

※当方の信託財産留保額に関する意見は当ブログに書かせていただきますので、もし何かあればそちらへお願いします。
http://blog.livedoor.jp/tsurao/archives/1372585.html



>おやじダンサーさん、

【極端な例でいえばこのファンドの最後の一人の顧客になれば先に出て行った顧客からもらった迷惑料が積み上がって実際の運用成績とはかけ離れた基準価額になるはず】とありますが、この信託財産留保額は実コスト相当の水準なのでそうならないようです。
解約が進むと、その都度ファンドが保有する株式を売却します。この売買コスト=信託報酬財産留保額なので、実際にはファンドの資産は増えません。⇒基準価額がインデックスと乖離することは無く、最後の一人になってもそれまでの顧客の置いていった信託財産留保額を受け取ることはできないようです。
*付け加えて言うと、金融取引税が撤廃されたりして購入・売却にかかる実コストが設定時の信託財産留保額と乖離した場合は信託財産留保額を実コスト相当に見直すとのことです。

>V70さん
>吊られた男さん
>おやじダンサーさん

みなさんありがとうございました!
今後も皆さんのブログ拝見させて頂き、引き続き勉強させて頂きます。
プロフィール

じろらも

Author:じろらも
老後資金を考え、インデックス投資で長期分散投資をしています。

■練馬区に住む40代半ばの既婚者
【趣味】波乗り
【タイプ】ロングボード
【目標】海の近くで老後を楽しむこと
【愛読誌】NALU

■メディア掲載履歴
日経ヴェリタス 2010年 第118号
暮らし・資産づくり
「投資にツイッター」

日経ヴェリタス 2010年6月13日号


■投資との向き合い方
波乗りをしている間にも、私が投資したお金達は日本はもちろん、どこか知らない国や企業でせっせと働いています。

仕事や趣味を大切にしたい私にとって、時間に拘束されることもなく、また感情にも左右されず、毎月淡々と機械的に積み立ててくれるインデックス投資は正に最適です。

しかも投資したお金達が、国境を問わず世界中のさまざまな企業の生産活動に貢献していると考えると何だかワクワクしますよね!

長期で運用することによる複利効果と、ドルコスト平均法によるリスクの分散もできるとあって、私のスタイルに合っているストレスフリーな投資方法だと思っています。

老後に向かって今を楽しみましょう!
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